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変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、関節のクッションの役割をする軟骨が加齢や筋肉量の低下などによって少しずつすり減り、歩行時に膝の痛みが出現する病気です。平地での歩行は大丈夫でも、階段で膝が痛いために困っている、歩行時の膝の痛みはないけれど、正座は膝が痛くてできない、などが初期の変形性膝関節症の症状です。さらに変形性膝関節症が進むと次第にO脚が進んでいき、階段のみでなく平地での歩行にも支障をきたすようになります。旅行などの特別なことではなく、日常生活上で支障をきたすようになると、かなり変形性膝関節症が進行している可能性が高くなります。

変形性膝関節症の症状

痛み

初期には階段昇降の際や膝を深く曲げた時、方向転換をした時の痛みが出現します。進行すると疼痛は悪化し、平地歩行でも痛みを感じるようになり、日常生活にも支障をきたして行動範囲が狭まってきてしまいます。

関節水腫

関節軟骨の損傷などにより関節炎を生じることにより、関節ないに水が貯まるようになります(関節水腫)。関節に水が溜まることによって膝が腫れて熱感を生じたり、膝が曲げにくくなったりと言った症状が生じます。

可動域制限

関節軟骨や半月板の損傷により関節が変形したりすることにより、膝の曲げ伸ばしがしにくくなってきます。正座ができなくなったり、かがみにくくなることにより、日常生活に支障を生じます。

O脚・X脚変形

関節軟骨や半月板の損傷により、O脚(内反)・X脚(外反)変形をきたします。

変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症の治療は大きく①保存療法、②手術療法に分かれます。

保存療法

  • ①運動療法

    関節に痛みがあるせいで、膝をかばって力を入れないようにする結果、筋力が低下して膝は不安定となり、その結果軟骨の摩滅が進みさらに痛みが増強するといった悪循環が多くみられます。この悪循環を解消するために、運動療法は有効です。当院理事長が開発した「たまひざ体操」は家庭でも簡単に行える運動療法であり、外来受診いただいた患者さんにはパンフレットを差し上げております。

  • ②薬による治療

    変形性膝関節症の治療薬としては、日本国内では消炎鎮痛剤(内服薬と貼布剤)とヒアルロン酸関節内注射が、最も頻度が高く用いられています。また、PRP療法(自由診療)も近年行われるようになってきています

手術療法

  • ①関節鏡手術(半月切除・滑膜切除など)

    主に初期から中期の方が対象となります。関節鏡を用いて関節内を観察しながら、関節の中をよく洗い、ケバ立った軟骨や傷んだ半月板、炎症を起こした滑膜組織を切除することによって痛みの軽減を図ります。利点は入院が数日から1週間程度で済む事や、傷が小さいことですが、症状の軽減効果が不確実であり、必ずしも長続きしないことが欠点であり、近年は減少傾向があります。

  • ②膝周囲骨切り術(高位脛骨骨切り術・脛骨粗面下骨切り術など)

    脛の骨(脛骨)の膝に近いところで、骨を切ってO脚やX脚変形を矯正して固定する方法です。膝の内側(あるいは外側)の関節軟骨が損傷してしまい痛みが強い場合でも、スポーツなど活動性を維持したいために行う、関節を置換せず温存する方法です。主に50歳代から70歳代程度までの、活動性の高い方が多くこの手術を選択されています。後述の人工関節置換術と比較して歩行可能になるまでの時間がやや長くなるため、入院期間は少し長くなります(当院の場合片膝で4週間、両膝同時で6週間程度です)。また手術直後は少し痛みがあること(2ヶ月程度で良くなります)、最終的には制限がなくなりますが、骨切り部の骨癒合までの間は活動の制限があります。

  • ③人工膝関節置換術(単顆置換術、全置換術)

    軟骨や半月板を切除して、金属と失われたポリエチレンインサートにより膝関節を置換して治す方法です。全体的に置換する方法(人工膝関節全置換術)と、損傷が膝の内側に限局されているケースに限定となりますが、膝の内側のみを置換する方法(人工膝関節単顆置換術) があります。どちらも手術直後から歩行することができるため、入院は比較的短期間で済みます(当院の場合片膝で2-3週間、両膝同時で3-4週間程度です)。軽い運動は可能ですが、インプラントの損傷のリスクなどもあるため、激しい運動や膝深屈曲は推奨されていません。主に65歳くらい以上の、活動性の低い方が多くこの手術を選択されています。

膝関節特発性骨壊死

一般的に60歳以上の中高年の女性に多くみられる膝の病気です。主に体重のかかる大腿骨の内側、顆部(かぶ)という場所に骨壊死が生じます。高齢で骨が弱くなっているところに力が加わり、軽微な骨折がおこっていることが原因とも考えられていますが、その詳細は未だ不明です。
発症時は膝の激痛を伴うことが多く、患者さんは急に痛みが出現して歩行困難になることも少なくありません。 発症後1~2カ月はレントゲンでは変化がみられないため、特有な初期症状がない例では、この年代に良くみられる変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)と区別できないことも多くあります。

膝関節特発性骨壊死の治療

膝関節特発性骨壊死の治療は大きく①保存療法、②手術療法に分かれます。

保存療法

時間の経過で自然に痛みが改善してくることも多いため、まずは安静にして疼痛の軽減を図ります。痛みの程度に応じて杖などを用いて、体重がかからないように(免荷)することもあります。必要に応じて消炎鎮痛剤の内服を併用したり、靴の中に入れる中敷き(足底板)を併用したりします。

手術療法

  • ①膝周囲骨切り術(高位脛骨骨切り術・脛骨粗面下骨切り術など)

    脛の骨(脛骨)の膝に近いところで、骨を切ってO脚やX脚変形を矯正して固定する方法です。膝の内側(あるいは外側)の関節軟骨が損傷してしまい痛みが強い場合でも、スポーツなど活動性を維持したいために行う、関節を置換せず温存する方法です。主に50歳代から70歳代程度までの、活動性の高い方が多くこの手術を選択されています。後述の人工関節置換術と比較して歩行可能になるまでの時間がやや長くなるため、入院期間は少し長くなります(当院の場合片膝で4週間、両膝同時で6週間程度です)。また手術直後は少し痛みがあること(2ヶ月程度で良くなります)、最終的には制限がなくなりますが、骨切り部の骨癒合までの間は活動の制限があります。

  • ②人工膝関節置換術(単顆置換術、全置換術)

    軟骨や半月板を切除して、金属と失われたポリエチレンインサートにより膝関節を置換して治す方法です。全体的に置換する方法(人工膝関節全置換術)と、損傷が膝の内側に限局されているケースに限定となりますが、膝の内側のみを置換する方法(人工膝関節単顆置換術) があります。どちらも手術直後から歩行することができるため、入院は比較的短期間で済みます(当院の場合片膝で2-3週間、両膝同時で3-4週間程度です)。軽い運動は可能ですが、インプラントの損傷のリスクなどもあるため、激しい運動や膝深屈曲は推奨されていません。主に65歳くらい以上の、活動性の低い方が多くこの手術を選択されています。